顧客分析プロジェクト

顧客分析プロジェクトでは,人間の意見や行動を対象とした共同研究(テキスト分析・行動分析)を実施しています. 18年度は,日本科学未来館様と館内の常設展示物の配置や展示内容の検討・改善を目的として共同研究を実施しました.

テキスト分析

テキスト分析技術は主に自然言語処理テキストマイニングの2つの技術から構成されています.

自然言語処理とは,私達が日常で使用している言語(自然言語)を計算機で処理させる研究技術です. 文章を形態素と呼ばれる語彙の最小構成要素に分割する形態素解析や文節ごとの繋がりを考慮する係り受け解析(構造解析)などが存在します.

テキストマイニングは,テキスト文を対象としたデータマイニング技術で, データの類似性を元にグループ化を行う技術であるクラスタリングや共に出現するデータの関連性の分析技術である相関分析などが存在します.

18年度の共同研究では,未来館内で収集された来館者からの意見に対して分析を行い,年代・性別・職業のカテゴリごとに来館者が特にどのような話題に注目しており,さらにどの程度関心を持っているのかということを明らかにしました.

行動分析

本プロジェクトでは,無線LANアクセスポイント(AP)を利用した位置推定とそれを用いた行動分析を行なっています.

位置推定は,無線LANの電波強度であるRSSIからAPとの位置関係を考慮することで推定を行っており,主な測定方式としては最も近いAPからの距離を元に推定を行うProximity方式,あらかじめサンプリングを行ったRSSIの分布を用いて既存の分類器を適用して推定を行うFingerPrint方式,そして複数のAPから重心を求めるTriangulation(三点測量)方式の3つの手法が存在します.

また,RSSIは周囲の環境による影響を受けやすいため,ユーザーモデルの独自定義を行いカルマンフィルターと呼ばれるパラメーター推定手法を導入することで推定精度の向上を図っています.

上記の技術を用いることで,室内のWi-Fi電波の情報から時間ごとの人間の位置推定やその流れを分析することが可能となっています.