見守りプロジェクト

見守りプロジェクトでは,AI・IoT技術を活用し,異種複数のセンサから得られるマルチモーダル情報を統合した見守りシステム構築の設計法・技術を開発しています.世界中で進行する高齢化社会における安心・安全を支える基本技術として,IoTを活用した見守りシステムの構築法や行動認識技術は非常に重要であり,特に,超高齢化社会の日本におけるIoTの重要な応用例として世界にアピールできるような技術となりうると大きな期待を集めています.

挑戦的なプロジェクト(何か見出しいれたい)

従来の研究において,特定のセンサ型のみを対象にして,その得意分野での認識率の評価などを扱ったものは多くありました.しかし,以下のような現実の多様な要件や制約の下で,最適なセンサの組み合わせで見守りシステムを構築する方法の研究にはまだ多くの挑戦が残されています.

無負荷・無侵襲性

見守りシステムにおいて,センサ類の装着や監視が居住者にとって身体的・精神的に負担にならないことは必須です.常に多くのデバイスを身に纏い,常に複数のカメラに監視されながら生活をすることは殆どの人にとって愉快なものではないでしょう.例えば,マイクロ波センサを使えばユーザがセンサを身につけることなく,非接触で心拍・呼吸数などを測定することができ,カメラの代わりにRFIDやWiFiを活用すれば,プライバシーを配慮しながらの位置推定や行動認識が可能になります.このようにセンサのタイプごとにある強みを適切に用途に合わせて組み合わせることが必要です.

常時・連続性・リアルタイム性

厚生労働省が発表しているデータでは,家庭内の不慮の事故による死亡者の8割以上が65歳以上となっており,その原因は浴槽などでの溺死・溺水,不慮の窒息,階段などからの転落・転倒となっています.このような観点から,見守りシステムには,居住者の起床,食事,排泄,入浴,睡眠などすべての生活パターンをモニタできる常時性と,24時間365日間途切れなく稼働できる連続性も欠かせません.また,心筋梗塞の場合,胸痛の発症から大半が1時間以内に心停止となり,異常の検出から警報発令までを20分以内で済ませることが必要となることなどから,リアルタイムでの異常検知も欠かせないということがわかるでしょう.他にも,継続的なADL(Activities of Daily Living)の観察は,廃用症候群の防止またはリハビリ進展度の判断等に役立てられると期待されています.

複数居住者環境への適応

複数居住者環境への対応も大きなチャレンジの一つです.単一居住者環境を想定した研究は多くありますが,複数居住者環境を想定するとその難易度は一気に上がります.複数居住者環境においては,「誰が何処にいてどんな状態にあるか」を認識する必要があり,個人の特定と,その位置・姿勢,行動状態等を認識する技術を柔軟に組み合わせる必要があります.例えば,RFID, Wifi, Bluetoothなどの通信デバイス系は,タグやデバイス自体に固有IDが振られているために,複数居住者の環境における個人特定に非常に優れており,腕時計型加速度ウェアラブルデバイスや,マットレス型圧力センサやマイクロ波センサ等を用いることで体温,呼吸,脈拍等のバイタルサインやADL認識を認識・測定することができます.

見守りふくろう

これは,株式会社ワイヤレスコミュニケーションと共同で開発した知的見守りロボット「見守りふくろう」です.この見守りふくろうは独居老人や介護施設入居者の見守りやコミュニケーションの促進を用途として想定しており,顔認識カメラ,マイクロ波ドップラーセンサ,非接触温度センサ,温湿度センサ,マイク,スピーカーなどが取り付けられています.

例えば,以下のようなシナリオを実行することが可能です.

カメラモジュールで顔を登録済みの人物を検出した場合,最新のマイクロ波センサのからのデータと非接触温度センサからのデータと組み合わせて「おはようございます,〇〇さん.現在の呼吸数は□□,心拍数は△△,体温は××です.今日も一日頑張りましょう!」と話しかける.

他にも,以下のような機能が実装されています.

  • 顔認識カメラに写った人物の感情分析

  • ADL(日常生活動作) 認識

  • SADL(社会的日常動作)認識

  • 簡単なあいさつ・会話

  • 入退室管理

  • 温湿度管理

国外発表

AAAI 2018 Spring Symposium (Stanford University, US)

2018年3月26日~38日にアメリカ,スタンフォード大学にて行われたAAAI 2018 Spring Symposiumで,学部4年(当時)の永間慎太郎と大石伸之が口頭発表を行いました.

Shintaro Nagama and Masayuki Numao. IoT-based Emotion Recognition Robot to Enhance Sense of Community in Nursing Home.

Nobuyuki Oishi and Masayuki Numao. Active Online Learning Architecture for Multimodal Sensor-based ADL Recognition.

国内発表

DICOMO2017シンポジウム

(DICOMO2017概要)

(論文情報)

新価値創造展 ・産業交流展(東京ビッグサイト)

11月15日~17日に東京ビッグサイトで行われた新価値創造展・産業交流展に「見守りふくろう」を出展しました。